はじめに
多くの野球ファンは、2024年も野球ニュースに胸を躍らせたのではないだろうか。
セ・リーグは例年通り、特に上位3チームのAクラス入りはもちろん、どのチームが優勝するか目を離せずにいた。
パ・リーグは補強の賜物だろうか、ソフトバンクが2位日本ハムと13,5ゲーム差で優勝。ただ日本ハムも前年の6位から巻き返して2位でシーズンフィニッシュ。
ただ、終わってみれば日本シリーズでセ・リーグ3位の横浜DeNAが下剋上を達成し、ソフトバンクを下し見事日本一を達成した。これには多くのファンも驚いたであろう。
MLBに目を向ければ、今年も大谷翔平選手が大活躍。
MLB史上初となる「50-50」を達成。(50ホームラン・50盗塁を指す)毎朝スマホに飛んでくる彼の活躍のニュースが、ファン1人1人を奮い立たせたはず。
個人としてもシーズンMVPを受賞しただけではなく、チームとしてもロサンゼルス・ドジャースはワールドシリーズを制覇し、まさに「大谷翔平の年」と言っても過言ではない。
そんな1年が終わってすぐだが、早くも2025年のチームパワーランキングがMLB公式より発表されたのでご紹介。
2025年、チームパワーランキングTOP5
早速、MLB公式により発表されたパワーランキングを紹介しよう。
- 1位 ロサンゼルス・ドジャース
- 2位 フィラデルフィア・フィリーズ
- 3位 ニューヨーク・ヤンキース
- 4位 ニューヨーク・メッツ
- 5位 アトランタ・ブレーブス
1位 ラインナップは圧倒的

第1位にランクインしたのが、ロサンゼルス・ドジャース。
投手・野手メンバーで他チームよりも一歩抜きん出ているのは間違いない。
まず、投手に目を向ける。5人制か6人制でローテーションを回すかは定かではないが、
- 大谷翔平
- 山本由伸
- タイラー・グラスノー
- クレイトン・カーショウ(再契約の可能性)
- ギャビン・ストーン(肩の手術により復帰未確定)
- ブレイク・スネル(New)
以上の6人は咋シーズンからの活躍を考えると、ローテーションに名を連ねそうだ。さらにトニー・ゴリンソン、ダスティン・メイも来シーズン怪我から復帰する。投手陣は盤石だ。
FA(フリーエージェント)で獲得したブレイク・スネルは過去サイ・ヤング賞を2度獲得したことのある実力派左腕。MLBの打者たちはキレッキレの縦に割れるカーブをどうやって打つんだろうか・・・
また、打者に目を向けると、そのラインアップに大きな変化はない。
おそらく来シーズンも1~3番には、大谷翔平、ムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマンのMVPトリオが配置されるだろう。
FAだったテオスカー・ヘルナンデスの残留とマイケル・コンフォートの獲得、さらには怪我で戦線離脱していたマックス・マンシーの復帰。MVPが並ぶ3番以降の打者たちも全く気が抜けない。
全員が例年通りの活躍をすれば、ワールドシリーズ連覇も夢ではないものの、チームとして危惧されるのが怪我だろう。
昨シーズン、先に挙げた選手のうち、山本由伸、クレイトン・カーショウ、タイラー・グラスノー、ギャビン・ストーン、ムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマンの6選手がチームを離脱した。
スポーツ選手である以上、怪我と隣り合わせなのはもちろんだが、レギュラーメンバーの離脱がチームに与える影響は大きい。
しかし、それだけの選手が離脱しながら、チームはワールドシリーズを制覇した。
裏を返すと、離脱がなければワールドシリーズ連覇にかなり現実味が増す。MLB公式が1位にドジャースを挙げるのにも納得がいく。
2位 1位のチームと紙一重

2位にはフィラデルフィア・フィリーズ。
フィリーズもドジャース同様打者のラインナップは豪華だ。
ドジャースのようにMVPトリオが控えているわけではないものの、ブライス・ハーパー、カイル・シュワーバー、アレク・ボーク、ニック・カステラノス、そしてWBCでも日本相手に大活躍したトレー・ターナー。
投手も万全だ。
ザック・ウィーラー、アーロン・ノラ、ランヘル・スアレス、クリストフェル・サンチェスこの4投手がそれぞれ200、199、150、181イニングを投げている。おまけに今オフシーズンにFAで投手を3人獲得している。
2024年、チーム打撃成績においてドジャースが打率.258だったのに対し、フィリーズが.257。
一方、投手成績においてはドジャースが防御率3.90だった一方で、フィリーズが3.85。
直接対決に限って言うと、6試合中5試合でフィリーズが勝利。
その6試合でドジャースの平均得点数が2.6、フィリーズは得点数が6.1。ワールドチャンピオン相手にボコスカ打ちまくり、投手がピシャッと抑えていたことがわかる。1位と2位がひっくり返っても全くおかしくない状況だ。
3位 東の名門

3位にランクインしたのは、ニューヨーク・ヤンキース。
個人的に、上位3チームは大差がないと感じている。投打にエースと主軸がどっしり構えているからだ。もちろんヤンキースも例外ではない。
ヤンキースはアーロン・ジャッジがいる。
彼は2024年、打率/本塁打/打点でそれぞれ、.322/58/144という記録を残しており、これは全て大谷翔平選手の成績を上回っている。
大谷翔平選手がまだア・リーグのエンゼルスに在籍していた際は、常にアーロン・ジャッジ選手とMVP争いをしていた。
さらに今オフシーズンにフアン・ソト選手が移籍したが、その代わりに2人の元MVPが加わり、打線だけに関していうと、トリオどころか、MVPカルテットが結成した。
その2人とはポール・ゴールドシュミットとコディ・ベリンジャー。フアン・ソトの穴を埋める補強となった。
また投手陣においても、FAのマックス・フリード、トレードでデビン・ウィリアムズを獲得して補強に成功。
デビン・ウィリアムズは、通称「エアベンダー」と呼ばれるブレーキの効いたキレッキレのチェンジアップが武器だ。読んで字の如く、空気を切り裂くと表現されるチェンジアップを武器に打者を料理している。
2025年のワールドシリーズでドジャースとのマッチアップの再現は大いにあり得る。投手に打者に補強を進めたヤンキースが勝ってもおかしくない。
4位 スターの補強に成功

4位にニューヨーク・メッツがランクインした。
メッツが4位にランクインしている理由はフアン・ソトの補強の賜物のはずだ。
今オフに15年7億6500万ドルというメガディールを締結させた。1年前に大谷翔平がスポーツ史上最高契約と多くのメディアで謳われていたものの、あっという間に塗り替えられた。
ただ、彼に大金を叩くのも納得がいく。若干26歳にしてその打撃は既に完成されていると評される。
打率こそ3割を超えたことは少ないものの、出塁率がほぼ毎年4割を超える。おまけに長打を打てることもあり.OPSが9割超え。よってシーズンMVPに名を連ねることもかなり多い。
現在チームからFAとなっているピート・アロンソを含め、昨シーズンは20本塁打以上を記録したバッターが4人。
この重量打線に41本塁打を記録したソトが加わる。油断できない打線なのは間違いない。千賀選手も怪我から復帰するのもポイントだ。
5位 オフシーズンは積極補強を行わないながら・・・

最後、5位はアトランタ・ブレーブスだ。
実は先に挙げたフィリーズ、メッツ、ブレーブスは全てナ・リーグ東地区に所属する。まさか上位5位のなかに3チームも集結するとは思いもしなかった。
その中で個人的には、ブレーブスのランクインは意外な結果だ。
というのも、ブレーブスはこのオフシーズンでは他チームに比べ補強に積極的ではないからだ。ただ、その背景には主力メンバーが離脱していないことが挙げられる。
まず、第一にアクーニャ・Jrが復帰する予定だ。大谷選手が昨シーズン「50-50」を達成したことが話題になった。ただ、アクーニャ・Jr選手は2023年「40-70」を達成しMVPに輝いている。
加えて、昨シーズン打率.302/本塁打38/打点104を記録したマルセル・オズナ、2023年HR王マット・オルソン、30本塁打を記録したことのあるオジー・アルビーズ、オースティン・ライリー、ホルヘ・ソレアもいる。
打線に関していうと、ドジャースを上回るかもしれない。
ポストシーズン常連のブレーブスが5位なのは投手陣の影響かもしれない。
マックス・フリード投手はヤンキースに移籍した。2024年のサイ・ヤング賞に輝いたクリス・セールがいるものの彼の離脱はチームにとって痛手だ。
ただ吉報もある。怪我で離脱しているスペンサー・ストライダーの復帰だ。
2024年4月に手術をしており復帰時期は未だ不透明ながら、トミー・ジョン手術ではなく、復帰は早いとされる。彼は今のMLBで最高のフォーシームの持ち主とされる。
彼の球種はストレートとスライダーのみ。投球割合の8割近くがストレートながらバッタバッタと打者を三振に仕留める。
最後に
以上が、MLB公式が発表した2025年のチームパワーランキングだ。
野球ファンにとって、開幕が待ち遠しいだろう。自分もその一人だ。今回紹介したパワーランキングは全30チーム分発表されている。

もちろんこれはあくまでシーズン開幕前の予想であって、いざ始まってみたらこの順位が大いに変わることもあるだろう。
ドジャースが所属するナ・リーグ西地区の他チームも全く油断ならない。開幕が待ち遠しいものだ。
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