はじめに
いよいよ2025年のプロ野球開幕が目の前に迫ってきた。
大谷翔平選手の活躍に常に度肝を抜かれた昨シーズン、今シーズンへの期待も高まるばかりだ。
大谷選手と同じ、もしくはそれ以上に注目を集めるのが今シーズンからMLBへ移籍した佐々木朗希選手の活躍だ。
日米野球関係者の高い注目が集まる中、「初実践」が先日行われた。その投球内容を振り返っていく。
【初実戦】その投球成績は?
日本時間の5日、シンシナティ・レッズを相手に、
3イニング/被安打2/四死球2/奪三振5/失点0
という成績で”MLBデビュー”を果たした。
ダルビッシュ有選手・大谷翔平選手が渡米1年目に環境の変化(ボールや気候)により苦労していたことを考えると、佐々木選手は上々のデビューを果たした。
それと同時に、気になる点も目についたのでまとめていこう。
【初実戦】直球△、変化球◎
史上最年少完全試合、13者連続奪三振、1試合19奪三振の記録保持者である、「令和の怪物」は、NPB在籍期間は短いながら、打者を圧倒していたのは間違いない。
最速165kmの直球と150kmに迫るスプリットでバッタバッタと打者を翻弄してきた。海を渡って、初実戦。結果的に0に抑えたが、気になる点があった。
変化球
変化球のキレは素晴らしい。スライダーとスプリットの2球種を投じたと思われる。
変化球でしっかりと空振りを奪えており、それほどキレッキレのスライダーとスプリットなのだろう。中には片膝をつく打者もいてスピンが効いているのだろう。
肘への負担が大きいとされるスプリット(フォーク)を投じる投手は日本と比べ少ない。それも合ってか日本投手が投じる落ちる変化球を武器になることが再度証明された形だ。
直球
気になるのが直球だ。
球速は99マイル(約160km)を計測しており、シーズンに合わせて調整が進められているのは間違いない。
しかし、被安打2のうち、2本ともが直球を打たれている。その2本とも打者が無理に引っ張った打球ではなく、センターから逆方向に打ち返している。
また上の動画、6:10秒あたりに注目いただきたい。
カルロス・ホルヘ選手に投じたインコース真ん中の直球、97マイル(156キロ)をきれいに打ち返されている。幸いファールとなったが、あわやホームランだ。
ただの野球ファンであるが、スピードは出ているものの直球が捉えられていることが気になる。
投球スタイルの変更?
日本では150kmを超す速球を軸にした投球だった。決め球に変化球を選択しても直球を選択しても抑えられていた印象だ。
しかし、2024年シーズンでMLB投手の平均急速が94.3マイル(151.7km)であることを考えると、150kmの直球を軸にした投球は変えざるを得ない。
またMLBの先発投手はイニングイーターであることが求められる。
イニングイーターとは、文字通りイニングを稼ぐことだ。6イニング3失点以内(クオリティスタート)、投球数100球前後を達成するために省エネ投球が求められる。
そのためにカットボールや2シームなど動く球を武器に打者を抑えることをダルビッシュ有投手や菊池雄星選手も取り入れている。今後MLBでキャリアを築く上で、投球スタイルの変化が必要とされるかもしれない。
さいごに
以上、”初登板”を果たした佐々木選手を振り返った。
大谷選手の活躍もあって、日本選手への期待も高まっている。事実、MLB公式が2025年のプレイヤーランキングで大谷選手を1位に位置付けた。
もちろん2刀流をこなす希少性とその実績を考えると1位になることにも頷ける。ただ、スーパースター大谷選手も「サイ・ヤング賞」の受賞は未だ達成されていない。
個人的に佐々木選手がここを達成することに期待したい。若干23歳で投手一本。MLBのキャリアに胸が高鳴っている!
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