はじめに
この記事を書いているのが2月。
もうすぐ春が訪れ、それに伴い新生活を迎える学生や新社会人も多いはずだ。また、当方アラサーなのだが、この年齢になると結婚、そして家の購入を進める友人も決して少なくない。
そして、こういった様々な新生活を始める上で、家具選びという難題もつきまとう。
そこで、この記事では家具が様々ある中で、「ダイニングテーブル」に焦点を当て、その選び方のポイントを紹介する。
そもそも「ダイニングテーブル」とは?

「ダイニングテーブルの選び方」をこの記事で紹介する前に、大前提、そもそも「ダイニングテーブルとは何か」から説明していく。
テーブルと似たものに机、いわゆるデスクもあるが、「ダイニングテーブル」と「デスク」と言い分けがあり、「ダイニングテーブル」はどういう役割があるのか。
「ダイニングテーブル」とは、英語「Dining Table」を指す。「Table」はさておき、「Dining」とは何だろう。
英単語「Dine」は食事を取るや夕食を取るの意味がある。つまり「ダイニングテーブル」とは、食事をするためのテーブル、もしくは食事をする場所ということだ。
ただ、テーブルとデスクの境界線が曖昧であるのも事実だ。特に1Kや1Rに住む方にとって、テーブルとデスクを置くだけのスペースがないだろう。
そのため、ダイニングテーブル兼デスクで食事を取るのはもちろん、勉強をする、仕事をするなども行うだろう。
ダイニングテーブルは食事を取るための場所、ということを前提に以降の記事を進めていく。
ダイニングテーブルの選び方 4つのポイント

ダイニングテーブルを選ぶ際に参考にする点は多い。他のウェブサイトも見た上で重なるところも多いが、ダイニングテーブルを選ぶ際に大きく4つのポイントがあると考えている。
・素材
・サイズ
・形状
・脚
あくまで、個人的意見だということを先にお断りしておく。では4つのポイントをそれぞれ見ていこう。
ダイニングテーブルの選び方① 素材
ダイニングテーブルを選ぶ上で、「素材」を考えるのは絶対に必要だ言えるはずだ。
先にも説明している通り、ダイニングテーブルは食事をするために使われる。残念なことに、食事の最中ダイニングテーブルは言ってしまえば脇役となってしまう。音楽でいうところのBGMのようなものだ。その一方で、BGMがあるかないかでは大きな違いがあるように、素材もテーブル選びで大事な要素の1つだ。
では、具体的にどういった素材があるのかをざっくり羅列してみよう。
無垢材(むくざい)
無垢材とは、天然の木材のことを指します。無垢材のテーブルのメリットは他家具のインテリアと組み合わせやすい点かと思う。そしてこれが結構大事なポイントだ。悪目立ちを避けられるからだ。
個人的にウッド系家具が好きなのであれば無垢材をおすすめしたい。ただ本物の木材を使うがゆえに高価になりがちだ。
またひとえに無垢材と言ってもその色はバラバラだ。
多くの家具屋さんでオークやウォルナットを目にするが、テーブルのみならず他の家具も同じ木材で統一することで悪目立ちせず、インテリアにまとまりが生まれる。
本記事では紹介しないが、お子さんのいる家庭ではガラスのテーブルに比べ比較的安全なのもポイントだ。
ガラスのテーブルは高級レストランやバーカウンターのようなスタイリッシュさを生む一方で壊れやすい。食器を置くことに慎重になる必要がある。
突板(つきいた)
突板とは、主に建材で使われるもので、単板を一枚一枚縦・横に交互に接着剤で張り合わせ、その材にスライスした無垢材を貼り付けたもの。

突板のメリットは、安価なことだ。無垢材家具と比べて、3/2程の値段で購入できるはず。無垢材家具と比べても一見見分けはつかない。価格を抑えて購入したい方にはおすすめである。
また似て非なるものが集成材。
集成材は、フィンガージョイントという機械で木材同士を継いだもの。こちらも値段が安価なのがメリットだ。

無垢材が突板(集成材)と比べ高価であるが、見た目に大きな違いはない。こだわりがなければ突板がいいだろう。
では一方で無垢材はというと、決して安くはない。ただ、世界に一つしかなく、長く使うことによる経年変化も楽しみの一つだ。本物志向がある方は無垢材一択かもしれない。
セラミック
木材の値上がりに伴い、人気が増してきているのがセラミックだ。スタイリッシュさや高級感の演出にはもってこいの陶磁器テーブル。
おまけに傷や熱にも強い。ただ、スタイリッシュさやシックさを与えるデザインである一方で、冷たさもある。また重い。
ライフスタイルの変化や模様替えを試みようとなった際に、セラミック製のテーブルは取り扱いに手こずる。
また個人的な意見だが、日本の家でセラミックテーブルが合う他家具は限られると思っている。例えば、一般に白、グレー、黒色のテーブルが多い中、その質感と一般的日本のフローリングとはミスマッチであることが多い。
セラミックテーブル単体ではとてもスタイリッシュである一方で、インテリア全体を考えると椅子やフローリングがウッド製だとやや違和感を覚えてしまう。
「お店ではいい感じに見えたのに・・・」が起きてしまうのだ。取り扱いが難しいのがセラミックテーブルである。
以上が「素材」に関しての説明だ。
ダイニングテーブルの選び方② サイズ
4つのポイントを紹介する上で、最も大事と言っても過言ではないのが、サイズだ。幅と奥行きそれぞれにカギとなる点がいくつかあるので一緒に解説していく。
幅と奥行き
テーブルのサイズを考える際に、まず「幅」と「奥行き」があることをまず知っておいてほしい。短い辺が「幅」、長い辺が「奥行き」である。
次に幅、奥行きで気を付ける点を解説していく。

幅
テーブルの幅のサイズは様々だ。家族構成によっても理想とされるサイズは変わる。ここでは、4人のケースを考えてみよう。
結論、幅は最低800mm(80cm)以上が必要だ。
繰り返しになるが、ダイニングテーブルは食事を取るためのスペースである。
一般に1人分の食事スペースに幅40cm~50cmほど必要とされる。この40~50cmとは肘から指先までの長さである。
対面で食事を取ることを想定した場合、40cm×2人分で幅が最低80cm必要だという計算だ。ただしあくまで成人を基準として考えている。
お子さんがいる家庭ではそれ以下でもいいが、その後の買い替えを予定していないのであれば幅80cm以上のテーブルを購入することをお勧めする。
奥行き
次に、奥行きだ。奥行きは幅と少し考え方が異なる。先に結論を述べておくと、人数×700mm(70cm)が必要である。
まず人間工学では、一人分の食事スペースでは奥行きは60cm必要とされている。こういう背景もあり、多くの椅子が60cm以内に設計されている。
書籍やネットでも60cmと書かれているものを見かけるが、個人的には60cmは狭いと考えている。なぜなら縦の動きよりも、斜め・横の動きが大きいためだ。
どういうことかというと、乾杯するシーンをイメージしてみていただきたい。テーブルの真ん中で乾杯しないだろうか?下の画像をご覧いただきたい。

左下、左上、右上の人が椅子から(約60cmから)はみ出ていることがわかる。乾杯のシーンのみだけでなく、テーブルの真ん中に置かれた料理を取る際にも同様のことが起こはずである。
話を「幅」も戻す。各々が目の前に置かれたパスタ食事を取るのには十分だ。
このように、縦の動きに対し、斜め・横の動きが大きいため幅は一般に必要とされる60cmに+10cmした、70cmが必要だと考えている。
以上が、サイズの考え方だ。次に進もう。
ダイニングテーブルの選び方③ 形状
素材、サイズに次ぐ3つ目のポイントは、形状である。
ここで言う形状とは、天板の形である。つまり、長方形なのか、正方形なのか、または円形なのかといった具合だ。この記事では以上の3つを取り上げる。他にも伸長式(エクステンション)や半円形、楕円形といったものもあるがそれらの紹介はまたの機会に・・
長方形
最も一般的な形なのが、「長方形」のテーブル。長方形、正方形、円形のテーブルのメリット・デメリットをそれぞれ見ていこう。
メリット
・大人数で使用できる
・面積の有効活用ができる
・壁づけができるのでデッドスペースが少ない
デメリット
・ある程度のスペースが必要である
・端と端に座る人とでコミュニケーションが取りづらい
デメリットというデメリットは最後の、端と端に座る人のコミュニケーションのしづらさくらいだろうか。家具を置く上である程度のスペースが必要なのは百も承知のはずだ。
では次に「正方形」のテーブルだ。
メリット
・コンパクトで移動しやすい
・省スペースで設置可能
・その大きさゆえにコミュニケーションが取りやすい
デメリット
・大人数に向いていない
・座れる人数に限りがある
この記事でダイニングテーブルの選び方を書いている身として恐縮だが、正方形のダイニングテーブルは見たことがない。その理由に大人数に向いていないことが挙げられる。
正方形のテーブルを多く見かけるのは、カフェだ。
つまり、1人〜2人の少人数向けのテーブルである。そのコンパクトさからコミュニケーションがしやすいし、省スペースに置きやすいというのが主な理由だと考えている。
最後に円形テーブルだ。
メリット
・全員とコミュニケーションが取りやすい
・コミュニケーション促進
デメリット
・壁づけができない
円形テーブルは長方形テーブルのメリットをカバーできる。角がないため、テーブルの「端」がない。そのため全員とコミュニケーションをコミュニケーションを取ることが出来る。
また円形テーブルにはコミュニケーション促進の心理的効果もある。それもあってか、過去伊勢志摩と広島で行われたG7サミットではともに円形テーブルが使われている。

その一方で、円形という形がゆえに壁づけができないというデメリットもある。そのため長方形テーブルと同様、置く場所にある程度のスペースが必要で、また場所も制限されてしまう。
以上、長方形、正方形、円形テーブルの特徴に関しての説明だ。最後に「脚」に関しての説明に移ろう。
ダイニングテーブルの選び方③ 脚
最後に、「脚」に関して説明していこう。
ここまで挙げた「素材」「サイズ」「形状」に比べるとそこまで優先して重要視する必要はない。事実、テーブルの脚でやや遊びがある。
ただ、ここで敢えて「脚」を取り上げるのには理由があって、それがテーブルの佇まいである。これまで機能性に注目して説明してきたが「脚」に関してはデザイン面にも重きを置く。
4本脚

おそらく最も一般的で、かつ最も人気なのが「4本脚」かと思われる。シンプルで飽きの来ない「The テーブルの演出」が可能だ。
ここで紹介するのは上の画像のような角柱のみだが、テーパー脚(床に向かうにつれ細くなる脚)や円柱もある。角柱に比べ、やわらかい印象を与える。
2本脚

次に紹介するのが「2本脚」。
こちらも最近家具屋さんで見かけるようになった。4本脚と比較すると、かなりスッキリしている。テーブルの天板を2か所で支えており、4本脚よりも天板下にスペースがあることも特徴だ。
これなら、多少窮屈だろうが片方に3人が座ることも可能かもしれない。
X脚

次に「X脚」の紹介だ。またここで、鉄脚にも触れておきたい。海外インテリアが日本でも数多く取り入れられてきていることを受け、「X脚」「鉄脚」もよく見かけるようになった。
X脚だが、個人的には無骨な印象を受ける。それが鉄脚なら尚更だ。
部屋のインテリアをインダストリアル系(工業系)で作っている、もしくは他の家具にも鉄が使われているのであればマッチしやすいだろう。
次に鉄脚だが、これはまさに海外インテリアの影響によるものだと思っている。それまで木と木、鉄と鉄などの組み合わせが主流だったはずだ。そこに木と鉄など異素材の組み合わせが見られるようになり、いわゆる「ブルックリンスタイル」が取り入れら始めた。
ヴィンテージ脚
最後に「ヴィンテージ脚」の紹介だ。
ここ10年くらいだろうか。家具・インテリア業界でも、アパレルで言う「古着」のようなブームがある。それがヴィンテージ家具だ。
ヴィンテージ家具の持つ独特の雰囲気や経年変化に魅了される方が決して少なくない。ただ個人的には、ヴィンテージの脚に関して言うと、おすすめしない。なぜなら、他インテリアとの組み合わせがかなり難しいからだ。
ではどんな脚かというと、こういったものだ。

写真だけなら見たことがある方もいるかもしれない。この脚がテーブルに付くだけで一気に印象が変わる。ヴィンテージという表現が正しいかは分からないが、他家具とのミスマッチが起きやすいためあまりおすすめしない。。。
さいごに
以上、ダイニングテーブルの選び方に関して説明してきた。
個人的見解もいくつか挟んでしまったが、多くの方に当てはまるであろう選び方はある。特に幅と奥行きに関しては。
・幅は80cm以上
・奥行きは70cm×人数
ダイニングテーブルは頻繁に買い換える物ではない。そのため慎重になる必要がある。
再度念押ししておくが、1Kや1Rに住む方ではなく、ダイニングスペースが設けられる方に特に気をつけていただきたい。
また、テーブルにかけられる予算や部屋のインテリアなど、テーブルひとつとっても考えることは多い。店舗ではカッコよく見えたものが部屋に置くといまいち、は避けたいはずだ。
お店で見て買うのであれば、店員さんに相談するが一番良い。使えるソースはどんどん使っていくことをおすすめする。
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