はじめに
「世界最大の映画賞」とされるアカデミー賞。
多くの方がテレビやSNSなどで目にしたことがあるかもしれない。過去、『タイタニック』、『ロード・オブ・ザ・リング』、『パラサイト』、『オッペンハイマー』など、耳にしたことがある方も少なくないはずだ。
ところが先日、映画界のまた別の賞を見かけた。
その名も「ラジー賞」。そしてそのラジー賞を受賞したのが、『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』。
ラジー賞?なんだそれは?そこから深ぼって行こう。
ラジー賞とは?
映画の最高の賞、アカデミー賞。
ラジー賞とは、その逆。
ラジー賞(正式名称ゴールデン・ラズベリー賞)とは最低の映画賞である。ラジー賞は、アカデミー賞の前日に表彰されるなんとも皮肉な賞だ。
その名前も不思議だが、ちゃんとした英語の意味がある。
「野次」を意味する「Razz」から命名された「Razzie Award」が正式な賞名であるが、「Razz」のもうひとつの意味である「Raspberry」(ラズベリー:木イチゴ)の実を模したトロフィーのデザインにより「Golden Raspberry Award」とも呼ばれる。Wikipediaより
残念な賞に受賞される一方で、もう一押し欲しかった、惜しいなど、そんな作品にもラジー賞が与えられる。
ちょっとしたジョークの要素も含まれており、それも相まって、いい意味で注目を浴びるのでは?と思う次第だ。
ラジー賞の内訳は以下である
- 最低映画賞
- 最低脚本賞
- 最低監督賞
- 最低スクリーンコラボ賞
- 最低リメイク・続編賞
- 最低男優賞
- 最低女優賞
- 最低助演男優賞
- 最低助演女優賞
本年度のラジー賞には以下の作品がこれらを受賞した。
・『マダム・ウェブ』(最低映画賞、最低脚本賞、最低女優賞)
・『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』(最低スクリーンコラボ賞、最低リメイク・続編賞)
最多3部門で受賞された『マダム・ウェブ』を取り上げたいが、2部門を受賞した『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』を紹介しよう。当方、映画館で観たためだ。
ラジー賞『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』
これまで4人の俳優が「ジョーカー」を演じてきた。
自身の”ジョーカーデビュー作”は、ヒース・レジャーが演じた『ダークナイト』。バットマンの敵役として描かれ、不気味、であるが第一印象だ。
しかしながら俳優の演じっぷりのおかげだろうか、狂気的なカリスマ性に惹かれた。それほど衝撃を与えたキャラクターだったことに間違いはない。
そして、次にホアキン・フェニックス演じる『ジョーカー』が2019年に公開され、これまた悪のカリスマ性が描かれている。俳優が変わろうとも一貫した「ジョーカー」役の演技に圧倒された。
ホアキン・フェニックスはジョーカーを演じるために、徹底的な減量に励み、細身という言葉では言い表せられないほど痩せこけていた。病的ジョーカー役を演じるのに必要だと判断したのだろう。
その続編、『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』を観に行くのはごく自然なことだ。あのハラハラ感を楽しみに映画館へ足を運んだ。
しかし、自身が求めるものはそこにはなかった。レビューサイトを見てもどちらかと言えばネガティブなレビューが多い。作品の方向性が前回とは違うとはいえ、「不完全燃焼」だった。
そして、結果的に最低の映画賞、ラジー賞を受賞。納得している自分がいるのだ。
さいごに
以上、ラジー賞を受賞した『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』に関してまとめた。
このラジー賞もアカデミー賞と同様歴史があり、1980年から続いている。「残念賞」であるが、注目を集められるのもまた事実。かえって興味をそそられるのだろうか?
観るも観ないもあくまで自由だが、ハードルを上げるのは避けた方がいいだろう。
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