はじめに
ジェイソン・ステイサム主演の『アドレナリン』という作品がある。
ざっくりと内容を言うと、アドレナリンが切れたら死んでしまうというなかなかハードで、ぶっ飛んだ設定の映画だ。
脱線してしまったが、アラサーである当方、映画の趣味がかつてSF・アクションメインであったのに対し、最近はもっぱらサスペンスやミステリー系を求めている。「どんでん返し」が大好物なのだ。
ひと通り、「THEどんでん返し」は観終わり、ジェイソン・ステイサムのようにどんでん返しに飢えた日々が過ぎている。
そんな中やっと出逢えた。
しかも一つではない。
その監督の作品がどんでん返しのオンパレードなのだ。よくこんな展開を思いつくよなあと彼の作品に酔いしれていた。
その監督こそ、オリオル・パウロ。この記事で紹介していく。
オリオル・パウロ、どんな人?

1975年7月30日生まれ、今年50歳を迎えるスペイン出身の映画監督・脚本家だ。
2010年、彼が35歳の時に、『ロスト・アイズ』が発表。ギリェム・モラレスが監督兼脚本家として指揮を取った中、オリオル・パウロも共同脚本家として”映像作品デビュー”を果たした。
その2年後の2012年、『ロスト・ボディ』で監督デビュー。
今作でスペインの映画賞であるゴヤ賞と新人監督賞にノミネート。パリ国際ファンタスティック映画祭で最優秀作品賞を受賞した。
パリ国際ファンタスティック映画祭は、ホラー、スリラー、SF映画の発表会であり、毎年行われるパリで最も大きい映画祭のひとつだ。デビュー作で最優秀作品賞を受賞している。ただ、2018年の「黄色いベスト運動」により今は中止されている。
その後2016年に、『ボーイ・ミッシング』『インビジブル・ゲスト』、2018年に『嵐の中で(邦題)』、2022年に『神が描くは曲線で(邦題)』と作品を発表している。
また2021年に『イノセント』、2024年に『トレマーでの最後の夜に』でドラマデビューも果たした。
35歳の遅咲きでデビュー(?)し、手掛けた作品数は8(Wikipedia参照)。
8作品のうち、ドラマも含め6作品を視聴した。ここで「これは観るべきTOP3」を発表できたらいいのだが、作品数が少ないがために2つ紹介しよう。
ちゃんとどんでん返しを喰らった作品だ。
オリオル・パウロ この作品は観ないと損。
作品名は忘れたが、こんな感じのキャッチコピーの作品があった。
「あなたは最後の5分で騙される」
その作品も観てみたのだが、「うーん」というのが感想だった。たしかに、最後のシーンで展開は変わったものの、大好物の「どんでん返し」と呼ぶにはほど遠い。
あくまで個人の感想なのは前置きとして言っておくが、これから紹介する2作品は最後の5分で騙された。個人的に、文句のつけようのないどんでん返しだった。こんな顔になったものだ。

インビジブル・ゲスト

2016年に公開された作品。9年前の作品ということもあり、どこかしこでネタバレがあるかもしれない。
そんな前情報を一切観ずに視聴。今作が自分自身の「オリオル・パウロデビュー作」となった。そしてどんでん返しを喰らった。
今作は、密室殺人が起こったところから始まる。その時点で、よっぽど登場人物が多くない限り犯人は絞られ、気になるのは「誰がどうやって」である。
ところが、話が進んでも明らかになるのは、主人公の素性のみ。残り時間を見て驚いた。もう10分しかない。ここから犯人が分かるんだろうか?
そして残り最後の5分あたりだろうか、ひっくり返った。
なるほど。ギリッギリまで焦らすストーリー展開にも納得がいった。やられた。
この記事を書いている2025年3月時点で、U-NEXTとAmazon Prime Videoで視聴可能だ。ぜひ。
神が描くは曲線で

こちらは2022年に発表された比較的最近の作品。Netflixで公開中。
大まかなあらすじは、探偵が精神科病院へ行き、事件の真相を探るというもの。ちょろっとネタバレをすると、『シャッター・アイランド』と重なる部分もあるかもしれない。
この作品をオススメする理由は、見返す必要があるからだ。
『インビジブル・ゲスト』のように、どんでん返しが待っている作品ではないかもしれない。ラスト5分を終え、観終わった直後に「????」こうなっていた。余韻が半端ない作品だ。
最後の一言のせいで、余計に「?????」が増してしまう。レビューサイトを同じ感想を抱いた方でいっぱいで安心した。そして見返した。だが、未だにその答えが出ていない。
どんでん返し。余韻残し。オリオル・パウロ。恐るべし。手のひらでコロコロされっぱなしだ。
さいごに
以上、オリオル・パウロ監督の紹介とオススメ作品を紹介した。
自身、久々のどんでん返し作品が観れてお腹いっぱいである。オリオル・パウロ監督の今後の新作が待ち遠しい。
今のところ1~2年に1つ作品を発表している。2025年の今、すでに新作に取り掛かっているだろうか。個人的に大注目の映画監督である。
ストリーミングサービスで視聴できなくなるまでにぜひ!
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