はじめに
この記事を書いているのが、2025年の9月。
野球のペナントレースがNPB、MLBともに後半戦に差し掛かってくる時期です。
MLBでは今シーズンのMVPが誰かといった話題がすでに飛び交っています。
ちなみに大谷選手は今年も候補の一人です。
シーズンMVP予想が始まっているので、各タイトルホルダーにも目を向けて見ました。
サイ・ヤング賞、首位打者、本塁打王、打点王、奪三振王、などなど。
そこであることに気づきました。
3割打者がいない
そして、それはNPB、MLB両方に通ずることでした。
一応断っておくと、3割打者が0人というわけではないです。
しかしながら、その数がとても少ないことが気になりました。いわゆる、「投高打低」の状態です。
NPB、MLBで起こる「投高打低」を深掘りしていこうと思います。
2025年シーズン成績 NPB MLB
まず、途中ではありますが、2025年シーズンの打者成績を見てみましょう。
MLB
ア・リーグ
- アーロン・ジャッジ .323
- ジェイコブ・ウィルソン .313
- ボー・ビシェット .307
- ジョージ・スプリンガー .306
- ジェレミー・ペーニャ .306
ナ・リーグ
- トレ・ターナー .302
- サル・フリリック .298
- フレディ・フリーマン .297
- ウィル・スミス .296
- ブライス・チュラング .291
NPB
セ・リーグ
- 泉口 友汰 .300
- 小園 海斗 .297
- 中野 拓夢 .290
- 上林 誠知 .279
- 牧 秀悟 .277
パ・リーグ
- 村林 一輝 .301
- 太田 椋 .301
- 周東 佑京 .294
- 中川 圭太 .294
- 中島 大輔 .290
こうやって並べてみると、「3割打者いるじゃん!」と言われそうですが、
個人的には、(ギリギリ)3割打者がいる、そう見えるんですね。
もう少し深掘りしましょう。
2025 NPB
昨シーズン、打率3割を達成したのが、以下3選手。
パ・リーグに関しては1名のみで、ランキング2位の選手が.294とかなり差があります。
・横浜DeNAベイスターズ オースティン選手 .316
・東京ヤクルトスワローズ サンタナ選手 315
・福岡ソフトバンクホークス 近藤選手 .314
まず、ソフトバンク・ホークス在籍の近藤選手は、
腰の手術もあって、未だ規定打席に未達。打率は.301を記録しています。
オースティン選手とオスナ選手もそれぞれ怪我やコンディション不良を訴えており、まともに打席に立てていないのが現状です。
規定打席に未達ではあるもののオースティン選手は.246に止まっています。
ただ、嬉しい誤算もあります。
現時点のセ・リーグ、パ・リーグの首位打者、泉口友汰選手と村林一輝選手ですが、
泉口選手は今シーズンから1軍定着、村林選手は前年.241から飛躍しています。
これはどちらの球団にとっても嬉しい誤算だったでしょう。
とはいえ、まだ9月前半です。
タイトル争いが激化するのはここからでしょう。
どのシーズンもそうですが、
ルーキーの活躍は予想ができない分、即戦力となった場合チームに厚みを増します。
今シーズンで言うと、泉口選手。
ショートを守っていることもあり、ショートを固定できずにいた巨人にすっぽりフィットしました。
2025 MLB
続いて、MLB。
ア・リーグは例年通りです。
アーロンジャッジ選手が「いつも通り」の活躍を見せ、今の時点で首位打者。
そして、MLBでもルーキーが2くらいにランクインしています。
アスレチックス在籍のジェイコブ・ウィルソン選手です。
2024年にメジャーデビューした23歳のの2年目の選手ですが、
三振と四球も少ない,早打ちの選手のため打率と出塁率がほぼ同じ選手です。
「優秀」とされる打者のOPS(出塁率+長打率)の値は.800以上ですが、
この記事を書いている時点で.806を記録しており、優れた成績を残していることが分かります。
一方のナ・リーグですが、その顔ぶれは前年からガラッと変わっています。
昨年TOP3に名を連ねた、パドレスのアラエス選手、大谷選手、ブレーブスのオスナ選手が、
今シーズンそれぞれ.284、.279、.228という成績。
ルイス・アラエス選手はMLB6年の通算打率が.320と常に3割を超える打者ですが、
今シーズンに限っていうと「不振」です。
このようにNPBとMLBにて、「投高打低」が起こっているのです。
では、なぜ「投高打低」が起こっているのしょうか?深掘ってみましょう。
なぜ「投高打低」が起こっているのか?
結論、データ野球が影響している、またそもそもの投手力が上がったためと思っています。(あくまで1ファンの考えです)
MLBでは、おそらく2010年代初頭から、
そしてNPBでは2020年代初頭からデータ野球がかなり普及しています。
映画「マネーボール」においても、
対戦成績や相性などデータに基づく戦略が功を奏した、というストーリーです。
そして、2025年現在この「データ野球」は日米ともにもはや当たり前となりました。
MLBを観たことがある方ならご存知でしょうが、
MLBでは極端な守備シフトを取ることがしばしばあります。
これはその選手の打撃成績が、例えば引っ張る打球が〇〇%、流し打ちする打球が〇〇%と言ったように、データで明らかとなっているためです。
もう一歩踏み込むと、直球、変化球、インコース、アウトコース、低め、高めなどその打者の得意・不得意もデータがあります。
あとはそこを攻めるだけ、というわけです。
そして悔しいことに、打者はしっかりと抑えられるんですね。
勝敗に直結するのでデータを使うのも納得が行きます。
続いて、投手力が上がっているという点。
ここもデータ野球の普及も相まって、科学×野球もかなり一般的になりました。
つまり、選手のトレーニングにも科学が使われるようになっています。
昨シーズンの開幕時、大谷選手の盗塁練習がまさにそれです。
そして、それもあってでしょうか。
NPBでも150km超えのボールを投げる選手が増えました。
MLBにおいても、先発投手が当たり前のように160km超えの球を投げます。
事実、こちらのサイトでも、平均急速が毎年上がっていると紹介されていました。
直球が活きれば、緩急や変化球が効果を増しますね。
こうやって考えると、「投高打低」が進むのも納得がいってしまうんです。
さいごに
以上、MLB、NPBで起こる「投高打低」について解説しました。
平均球速が毎年上がっており、10年で5キロ早くなっていることを先に紹介しました。
2023年でグラフは止まってますが、2024年、2025年とおそらく上がっているでしょう。
「投高打低」がしばらく続くのは間違いないですが、
反対に、「投低打高」が来る日はくるのでしょうか。魚雷バットの仕様もありますし。
野球ファンとしては、そんな日も見てみたいです。
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