はじめに
2025年シーズンのシーズンも終わりが近づいています。
セ・リーグは阪神が、パ・リーグはソフトバンクが制して、クライマックスシリーズ(CS)が幕を開けました。
そしてこの記事を書いている10/23時点で、日本シリーズのマッチアップが決定。
両リーグ王者、阪神とソフトバンクが日本一をかけ、残り4勝をかけて戦います。
日本シリーズでも白熱した戦いが繰り広げられるのでしょうが、
個人的にパ・リーグ優勝決定戦、ソフトバンク対日本ハムの戦いにかなり胸を踊らせました。
第7戦までもつれ込み、緊迫した中での投手戦。
数少ない好機の中、相手のミスを逃さずワンチャンスをものにしたソフトバンクが勝利を納めました。
結果的にソフトバンクが勝利したものの、やはりどちらが勝ってもおかしくなかったシリーズ。
ペナントレースを振り返っても拮抗していたこの2チームですが、
野球の面白みが感じられるのも、この2チームの戦い方です。
つまり、カネか育成か。ここに大きな違いがあるように思うんですね。
超個人的、「野球の面白さ」ご紹介します。
カネか育成か ①カネ・移籍
NPBよりは、MLBをチェックする機会が多く、
近年、興味深い動向がじわあっと広がっているように思えます。
そして、それが最近日本でも同じように起こっているのでは、という印象。
つまり、カネで選手が動かなくなっている、ということです。
再度断っておくと、これは超個人的な意見です。
毎年シーズンが始まる前に、もはや恒例行事となった、シーズン予測。
例年通りの活躍をもとに評論家が予測しますが、
当たり前っちゃ当たり前ですけど、選手がそのチームにいることが大前提。
裏を返すと、ポスティングやフリーエージェント、トレードで選手が移籍することがその予測は変わることを意味します。
そして近年、この選手移籍の動向にちょろっと変化があるように思うんですね。
つまり、金満球団への移籍が少ないように思います。
金満球団、読んで字のごとく、お金を持っている球団を指しており、
MLBで言うと、ヤンキースがその筆頭です。NPBの場合、巨人でしょうか。
そして国は違えど、この2球団はどこか似ていると言う印象。
都市部の球団、歴史と実績、マネーゲームに強い、身なりの厳格さなど、
選手の移籍先として人気の球団です。
ただ、最近はその動向に変化があるように思います。
例えば近年MLBへと移籍した、
鈴木誠也選手、山本由伸選手、今永昇太選手、佐々木朗希選手、菅野智之選手が海を渡る、となった際おそらくヤンキースは声をかけたはずです。
しかし、決め手を欠いたのか肝心の選手達は別のチームに在籍することになりました。
田中将大選手を最後に、ヤンキースに在籍する日本人選手はいないのです。
そしてその動向は、日本でも。
直近5年で、FAで巨人に移籍したのは梶谷選手(2020年)と、甲斐選手(2024年)のみ。
同じく資金力豊富なソフトバンクも山川選手(2023年)のみ。
かつての人気移籍先では無い、そう思わざるを得ないんですね。
中日ドラゴンズ要素さんの記事を見ると、各チームの総年俸がわかるんですが、
予想通り、ソフトバンクと巨人が上位です。

ただ、その2チームへの移籍が決して多いわけではなく、
さらに総年俸の高さ=チーム力ではありません。チームの強さは他にも要因があるわけです。
大変興味深い。
選手がカネではない何かを求めているように思います。
カネか育成か ②育成
では、次に育成という点に着目してみます。
今ふと冷静に考えたら、やっぱりスポーツの世界の争いってとても激しいです。
全国のエースで4番のような選手が、プロ野球という世界に足を踏み入れ、
そんな逸材の中から厳選された9人のみが試合に出場するんですから。
そして、その9枠を争って、各チームがしのぎを争うわけで、
1軍の選手はもちろん、2軍の選手が育成されるわけです。
さらにもっと育成を進めるべく、以下5チームは3軍まで設けています。
- 読売ジャイアンツ
 - 福岡ソフトバンクホークス(4軍まである)
 - オリックスバッファローズ
 - 西武埼玉ライオンズ
 - 広島東洋カープ
 
では、直近5年の各チーム成績に目を向けます。
この育成方針が功を奏しているのか、見てみましょう。
- 読売ジャイアンツ リーグ優勝1度
 - 福岡ソフトバンクホークス リーグ優勝1度 日本シリーズ優勝1度
 - オリックスバッファローズ リーグ優勝3度 日本シリーズ優勝1度
 - 西武埼玉ライオンズ
 - 広島東洋カープ
 
あくまで結果だけ見ると、
3軍まで設けている(選手層が厚い)チームが必ずしも優勝というわけではなさそうです。
ここまで「カネ」と「育成」に関して書いてきたわけですが、
ここで面白い位置付けにあるのが、日本ハムという存在です。
決して金満球団ではない、また3軍を設けているわけではない。
すごく面白い球団です。
カネか育成か 日本ハムの方針?
金満球団ではなく、育成全振りというわけでもない、日本ハムという球団。
カネ×育成、ここに「監督の采配力」という要素がキーになるのかも、と気づいてまだ日が浅いんです。
日本ハムはカネ、育成のどちらかといえば、育成に重きを置くチームです。
FAで選手獲得、というのは珍しく、中田翔選手や大谷選手も育成によって球界の顔となりました。
そして、そのチーム事情に沿った監督の采配。
新庄現監督の前は、栗山英樹さんが監督を10年勤めました。
どちらにも共通するのは、かなりの研究家であること。
監督として成績を出すので、レギュラー選手に実績がある選手を起用するのは納得がいきます。
仮に自分が監督でも、メンバーは変えないでしょう。
なんせ、HRを打てることを過去の実績からわかっているので。
ただ、栗山元監督、新庄監督が違うんですね。選手のキラッと光る点にしっかり気づいている。
今シーズンだと、新庄監督、めっちゃくちゃ若手の起用します。
下の動画によれば、支配下登録選手を全員起用したようで。
で、結果的にこれってベテラン選手、若手選手両方にとって
「あ、若手にも機会があるんだ」というメリットが生まれて、ポジション争いに切磋琢磨すると思います。実績が全てでは無い、と。
さらに、新庄監督って絶対選手のモチベーションを上げるのが上手。
大胆な起用をされた選手って絶対ガッチガチに緊張しているはず。
そんな選手が、例えば1回無失点に抑えたら?安打を決めたら?
選手も、起用した監督もうれしいはずです。そして実際に新庄監督メディアを見る限り喜んでるシーンよく見ますし。
個人的にこれだよな、って思うんですよね。野球の面白さって。
高校野球って全員で全力で勝ちに行く姿勢が窺えるんですが、
プロ野球って敗戦処理みたいなものが確かにあります。
高校野球のような、全員で勝ちに行く姿勢と
その全員のモチベーターとなり、また戦術家となるプロの、プロたる技術力。
日本ハムっていうチームはずっと面白い。
さいごに
以上、今シーズンから見えたプロ野球2チームの動向に関して書きました。
もちろん、結果が求められるのがプロです。
優勝という具体的な目標のため、カネをかけ、育成にもカネをかけたソフトバンクはやっぱり強い。
ただ、正反対とは言いませんが、
育成で成長した選手達全員で勝ちに行こうとするチーム方針が伺える日本ハムとの一戦は面白く映りました。
カネではチーム力は決まらないということです。
来年も新庄監督が日本ハムの指揮を取るとニュースを見かけました。
いよいよ、リーグ優勝となるのか、果たして。。。

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